01障害者雇用率制度の基本
障害者雇用促進法により、事業主は常用労働者の一定割合(法定雇用率)以上の障害者を雇用することが義務づけられています。 この義務は原則として企業ごとに課されます。
法定雇用障害者数は「常用労働者数 × 法定雇用率」(小数点以下切り捨て)で求めます。 たとえば常用労働者80人の企業では、80 × 2.7% = 2.16 → 2人の雇用が必要です。 未達成の場合、常用労働者100人超の企業には障害者雇用納付金の納付義務が生じ、ハローワークからの雇入れ計画作成命令や行政指導の対象となることもあります。
02雇用障害者数のカウント方法
実雇用率の算定では、障害の種類・程度と週所定労働時間によってカウントが変わります。
| 週所定労働時間 | 30時間以上 | 20〜30時間未満 | 10〜20時間未満 |
|---|---|---|---|
| 身体障害者 | 1 | 0.5 | — |
| うち重度 | 2 | 1 | 0.5 |
| 知的障害者 | 1 | 0.5 | — |
| うち重度 | 2 | 1 | 0.5 |
| 精神障害者 | 1 | 1 ※当分の間 | 0.5 |
※ 週10〜20時間未満の重度身体・重度知的・精神障害者の算定は2024年4月から。精神障害者の短時間労働者を1人とする特例は2023年4月以降「当分の間」継続とされています。
03複数の企業で通算できる4つの特例
雇用率は企業ごとが原則ですが、一定の要件を満たし国の認定を受けた場合に限り、複数の事業主で実雇用率を通算できる特例があります。
| 制度 | 通算できる範囲 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 特例子会社制度(子会社特例) | 親会社と、障害者雇用に特別の配慮をした子会社 | 主に大企業グループ |
| 企業グループ適用(関係会社特例) | 特例子会社を持つ親会社と、グループ内の関係会社 | 企業グループ |
| 企業グループ算定特例(関係子会社特例) | 特例子会社がなくても、一定要件を満たす親会社と子会社のグループ | 企業グループ |
| 事業協同組合等算定特例 (特定事業主特例) | 事業協同組合等と、その組合員である中小企業 | 資本関係のない中小企業同士 |
資本関係を持たない中小企業同士が手を組めるのは、事業協同組合等算定特例だけです。DXダイバーシティLLPはこの仕組みを活用しています。
04事業協同組合等算定特例とは
平成21年4月に創設された制度で、中小企業が事業協同組合等を活用して協同事業を行い、一定の要件を満たすものとして厚生労働大臣の認定を受けた場合に、 事業協同組合等(特定組合等)とその組合員である中小企業(特定事業主)で実雇用率を通算できます。
対象となる組合は、事業協同組合・水産加工業協同組合・商工組合・商店街振興組合、そして有限責任事業組合(LLP)です。 LLPは当初、国家戦略特別区域法に基づく特区のみで認められていましたが、障害者雇用促進法等の改正により令和5年度(2023年4月)から全国で対象となりました。 認定件数は全国で13件(令和7年6月1日現在)と、まだ活用例の少ない制度です。
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雇用義務が0人の企業(規模が小さい企業)や、雇用促進事業に参加しない組合員企業は、特例の対象外です。
05認定要件(組合側)
- 事業協同組合、水産加工業協同組合、商工組合、商店街振興組合、または有限責任事業組合(LLP)であること。
- 規約等に、組合が障害者雇用納付金を徴収された場合、特定事業主の障害者の雇用状況に応じて、その経費を特定事業主に賦課する旨の定めがあること。
- 組合および特定事業主における障害者の雇用の促進及び安定に関する事業(雇用促進事業)を適切に実施するための実施計画を作成し、これに従って障害者の雇用の促進及び安定を確実に達成できると認められること。
- 自ら1人以上の障害者を雇用し、雇用する常用労働者に対する雇用障害者の割合が20%を超えていること。
- 自ら雇用する障害者に対して適切な雇用管理を行うことができると認められること(障害者のための施設の改善、専任の指導員の配置など)。
- 原則として、申請時点で組合と特定事業主全体で障害者雇用義務を果たしていること(未達成の場合は、実施計画に基づき計画期間内に確実に達成できると認められること)。
LLPの場合の追加要件
- 中小企業者または小規模の事業者のみが組合員となっていること。
- 組合契約書に、総組合員による不更新の決定がない限り存続期間が更新される旨が記載されていること。
- 組合契約書に、持分の譲渡には総組合員の同意を要する旨が記載されていること。
- 組合契約書に、業務執行の決定が総組合員の同意、または総組合員の過半数以上の多数決により行われる旨が記載されていること。
- 事業を行うために必要な経営的基礎を欠くなど、目的の達成が著しく困難と認められないこと。
- 解散時の措置(組合が雇用する障害者を特定事業主が雇用すること、他の事業主へ雇入れを求めるなど新たな雇用機会を提供すること)を実施計画に記載すること。
06認定要件(参加企業=特定事業主側)
- 組合の組合員であること。
- 雇用する常用労働者の数が一定規模以上であること(法定雇用率2.5%時点の厚生労働省資料では40人以上)。
- 子会社特例・関係会社特例・関係子会社特例、または他の特定事業主特例の認定を受けていないこと。
- 組合の事業と自社の事業との人的関係または営業上の関係が緊密であること(役員派遣など)。
- 規模に応じて、次の数以上の障害者を自社で雇用していること。
| 常用労働者数 | 自社で雇用が必要な障害者数 |
|---|---|
| 167人未満 | 要件なし |
| 167人以上250人未満 | 1人 |
| 250人以上300人以下 | 2人 |
| 300人超 | 常用労働者数 × 1.2%(小数点以下切り捨て) |
※ 2026年7月の法定雇用率引上げ(2.7%)に伴う規模要件等の取扱いは、最新の厚生労働省資料・管轄労働局でご確認ください。組合事務局でも個別にご案内します。
07メリットと留意点
参加企業のメリット
- 1社では確保しにくい仕事量を、複数社で持ち寄って雇用機会をつくれる
- 組合全体で実雇用率を通算し、法定雇用率の達成を目指せる
- 専任指導員のいる環境で、障害者雇用のノウハウを学べる
- Shiny Academyで、社員の生成AI・DXの学びを進められる
あらかじめ知っておきたいこと
- 厚生労働大臣の認定が必要で、実施計画の作成・審査を経る
- 基本契約(Shiny Academy 40アカウント・月額10万円 税込)の継続が前提となる
- 規模によっては自社での障害者雇用も必要
- 認定後も要件を満たし続ける必要があり、満たさない場合は取消しの対象
08認定までの流れ
- 無料相談・現状整理雇用状況・従業員数・ご利用イメージをヒアリング
- 要件確認規模・他特例の有無・自社雇用数などを確認
- 組合への加入組合契約の締結、人的・営業上の関係の整理
- 実施計画の作成人員計画・業務設計・雇用管理・解散時の措置などを具体化
- 申請・審査管轄のハローワークを経由して厚生労働大臣へ申請
- 認定・運用実施計画に沿って雇用促進事業を実施、雇用状況を報告
参考資料(厚生労働省)
- 「事業協同組合等算定特例」(特定事業主特例)の概要(PDF)
- 労働政策審議会障害者雇用分科会 第127回資料:法改正に伴う令和5年度施行分の省令・告示改正について(PDF)
- 令和7年 障害者雇用状況の集計結果
本ページは2026年10月時点の公表資料をもとに作成しています。制度は改定されることがあるため、最新の情報は厚生労働省・都道府県労働局でご確認ください。