算定特例の仕組み

「事業協同組合等算定特例」は、中小企業が組合を通じて共同で障害者雇用に取り組み、組合全体で法定雇用率の達成を目指せる国の制度です。厚生労働省の資料をもとに、仕組みと要件を順を追って解説します。

VIDEO · 2:10

動画で、2分でわかる算定特例

「中小企業版の特例子会社」として、組合で雇用した障害者の雇用ポイントを分け合うイメージを、アニメーションで解説しています。詳しい要件は、動画の下の解説をご覧ください。

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2分でわかる、算定特例のしくみ。

企業には、従業員の2.7パーセント以上の障害者を雇う義務があります。でも、中小企業1社だけでは、任せる仕事も、受け入れ体制も整えにくいのが現実です。

大企業には「特例子会社」という仕組みがあります。子会社で雇用した障害者を、グループ全体でまとめて数えることができます。

その中小企業版が「算定特例」です。中小企業どうしが組合をつくり、組合で障害者を雇用します。国の認定を受けると、組合全体で雇用率を通算できます。

組合で雇用した障害者の「雇用ポイント」を、足りない会社へ分配するイメージです。A社に1人、B社に2人、C社に4人。組合全体で、必要な9人を上回る10人。みんなで法定雇用率を達成できます。

利用するには、厚生労働大臣の認定が必要です。組合が自ら障害者を雇用し、実施計画をつくることが条件。令和5年度からは、LLPも全国で対象になりました。

では、組合員になれるのはどんな会社でしょうか。中小企業であること。常用労働者がおおむね37.5人以上で、障害者の雇用義務があること。特例子会社など、ほかの特例を使っていないこと。組合と、役員派遣や取引などのつながりがあること。そして規模によっては、自社でも障害者を雇用していること。当てはまるかどうかは、無料相談で確認できます。

障害者雇用を、みんなで、AIで、前へ。DXダイバーシティ有限責任事業組合です。

01障害者雇用率制度の基本

障害者雇用促進法により、事業主は常用労働者の一定割合(法定雇用率)以上の障害者を雇用することが義務づけられています。 この義務は原則として企業ごとに課されます。

民間企業の法定雇用率2.7%2026年7月〜(それ以前は2.5%)
雇用義務が生じる規模37.5人以上常用労働者数(2.7%時)
障害者雇用納付金5万円/月不足1人あたり・常用労働者100人超の事業主

法定雇用障害者数は「常用労働者数 × 法定雇用率」(小数点以下切り捨て)で求めます。 たとえば常用労働者80人の企業では、80 × 2.7% = 2.16 → 2人の雇用が必要です。 未達成の場合、常用労働者100人超の企業には障害者雇用納付金の納付義務が生じ、ハローワークからの雇入れ計画作成命令や行政指導の対象となることもあります。

02雇用障害者数のカウント方法

実雇用率の算定では、障害の種類・程度と週所定労働時間によってカウントが変わります。

週所定労働時間30時間以上20〜30時間未満10〜20時間未満
身体障害者10.5—
うち重度210.5
知的障害者10.5—
うち重度210.5
精神障害者11 ※当分の間0.5

※ 週10〜20時間未満の重度身体・重度知的・精神障害者の算定は2024年4月から。精神障害者の短時間労働者を1人とする特例は2023年4月以降「当分の間」継続とされています。

03複数の企業で通算できる4つの特例

雇用率は企業ごとが原則ですが、一定の要件を満たし国の認定を受けた場合に限り、複数の事業主で実雇用率を通算できる特例があります。

制度通算できる範囲主な対象
特例子会社制度(子会社特例)親会社と、障害者雇用に特別の配慮をした子会社主に大企業グループ
企業グループ適用(関係会社特例)特例子会社を持つ親会社と、グループ内の関係会社企業グループ
企業グループ算定特例(関係子会社特例)特例子会社がなくても、一定要件を満たす親会社と子会社のグループ企業グループ
事業協同組合等算定特例
(特定事業主特例)
事業協同組合等と、その組合員である中小企業資本関係のない中小企業同士

資本関係を持たない中小企業同士が手を組めるのは、事業協同組合等算定特例だけです。DXダイバーシティLLPはこの仕組みを活用しています。

04事業協同組合等算定特例とは

平成21年4月に創設された制度で、中小企業が事業協同組合等を活用して協同事業を行い、一定の要件を満たすものとして厚生労働大臣の認定を受けた場合に、 事業協同組合等(特定組合等)とその組合員である中小企業(特定事業主)で実雇用率を通算できます。

対象となる組合は、事業協同組合・水産加工業協同組合・商工組合・商店街振興組合、そして有限責任事業組合(LLP)です。 LLPは当初、国家戦略特別区域法に基づく特区のみで認められていましたが、障害者雇用促進法等の改正により令和5年度(2023年4月)から全国で対象となりました。 認定件数は全国で13件(令和7年6月1日現在)と、まだ活用例の少ない制度です。

特定事業主 A 常用労働者 60人 法定 1 / 雇用 0 不足 1人
特定事業主 B 常用労働者 120人 法定 3 / 雇用 1 不足 2人
特定事業主 C 常用労働者 200人 法定 5 / 雇用 1 不足 4人
↓

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DXダイバーシティLLP(特定組合等) 障害者を雇用し、専任の指導員のもとで働く環境を整備 常用労働者 10人 / 雇用障害者 8人(20%超)
組合全体の法定雇用障害者数9人
vs
組合全体の雇用障害者数10人
実雇用率を通算して法定雇用率を達成
※ 法定雇用率2.7%で計算したイメージ図です。実際の認定可否・算定は個別の状況により異なります。

雇用義務が0人の企業(規模が小さい企業)や、雇用促進事業に参加しない組合員企業は、特例の対象外です。

05認定要件(組合側)

  1. 事業協同組合、水産加工業協同組合、商工組合、商店街振興組合、または有限責任事業組合(LLP)であること。
  2. 規約等に、組合が障害者雇用納付金を徴収された場合、特定事業主の障害者の雇用状況に応じて、その経費を特定事業主に賦課する旨の定めがあること。
  3. 組合および特定事業主における障害者の雇用の促進及び安定に関する事業(雇用促進事業)を適切に実施するための実施計画を作成し、これに従って障害者の雇用の促進及び安定を確実に達成できると認められること。
  4. 自ら1人以上の障害者を雇用し、雇用する常用労働者に対する雇用障害者の割合が20%を超えていること。
  5. 自ら雇用する障害者に対して適切な雇用管理を行うことができると認められること(障害者のための施設の改善、専任の指導員の配置など)。
  6. 原則として、申請時点で組合と特定事業主全体で障害者雇用義務を果たしていること(未達成の場合は、実施計画に基づき計画期間内に確実に達成できると認められること)。

LLPの場合の追加要件

  • 中小企業者または小規模の事業者のみが組合員となっていること。
  • 組合契約書に、総組合員による不更新の決定がない限り存続期間が更新される旨が記載されていること。
  • 組合契約書に、持分の譲渡には総組合員の同意を要する旨が記載されていること。
  • 組合契約書に、業務執行の決定が総組合員の同意、または総組合員の過半数以上の多数決により行われる旨が記載されていること。
  • 事業を行うために必要な経営的基礎を欠くなど、目的の達成が著しく困難と認められないこと。
  • 解散時の措置(組合が雇用する障害者を特定事業主が雇用すること、他の事業主へ雇入れを求めるなど新たな雇用機会を提供すること)を実施計画に記載すること。

06認定要件(参加企業=特定事業主側)

  1. 組合の組合員であること。
  2. 雇用する常用労働者の数が一定規模以上であること(法定雇用率2.5%時点の厚生労働省資料では40人以上)。
  3. 子会社特例・関係会社特例・関係子会社特例、または他の特定事業主特例の認定を受けていないこと。
  4. 組合の事業と自社の事業との人的関係または営業上の関係が緊密であること(役員派遣など)。
  5. 規模に応じて、次の数以上の障害者を自社で雇用していること。
常用労働者数自社で雇用が必要な障害者数
167人未満要件なし
167人以上250人未満1人
250人以上300人以下2人
300人超常用労働者数 × 1.2%(小数点以下切り捨て)

※ 2026年7月の法定雇用率引上げ(2.7%)に伴う規模要件等の取扱いは、最新の厚生労働省資料・管轄労働局でご確認ください。組合事務局でも個別にご案内します。

07メリットと留意点

参加企業のメリット

  • 1社では確保しにくい仕事量を、複数社で持ち寄って雇用機会をつくれる
  • 組合全体で実雇用率を通算し、法定雇用率の達成を目指せる
  • 専任指導員のいる環境で、障害者雇用のノウハウを学べる
  • Shiny Academyで、社員の生成AI・DXの学びを進められる

あらかじめ知っておきたいこと

  • 厚生労働大臣の認定が必要で、実施計画の作成・審査を経る
  • 基本契約(Shiny Academy 40アカウント・月額10万円 税込)の継続が前提となる
  • 規模によっては自社での障害者雇用も必要
  • 認定後も要件を満たし続ける必要があり、満たさない場合は取消しの対象

08認定までの流れ

  1. 無料相談・現状整理雇用状況・従業員数・ご利用イメージをヒアリング
  2. 要件確認規模・他特例の有無・自社雇用数などを確認
  3. 組合への加入組合契約の締結、人的・営業上の関係の整理
  4. 実施計画の作成人員計画・業務設計・雇用管理・解散時の措置などを具体化
  5. 申請・審査管轄のハローワークを経由して厚生労働大臣へ申請
  6. 認定・運用実施計画に沿って雇用促進事業を実施、雇用状況を報告

参考資料(厚生労働省)

本ページは2026年10月時点の公表資料をもとに作成しています。制度は改定されることがあるため、最新の情報は厚生労働省・都道府県労働局でご確認ください。

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